もぐんちゅとは??

潜人(もぐんちゅ)
ダイビングサービスやファンダイビング、漁などでスクーバ(潜水器具)を用いて海に関わっている人。

一言でいうと、潜ってるひとです。

勝手に作りました。造語です。

ちなみに、ご存知だとは思いますが、沖縄方言で「海人(うみんちゅ)」は漁師のこと、「島人(しまんちゅ)」は地元民のことです。

2010/09/19

サンゴって何者?(その3)

サンゴの産卵、月の周期を利用する生き物たち

今回は、サンゴの生殖について少し触れた後、月の周期をうまく利用している生き物についても少し勉強していきます。



サンゴの生殖
サンゴは、無性生殖、有性生殖の両方で増殖します。
有性生殖とは、精細胞と卵細胞の融合によって起こる生殖です。ほとんどの生物が有性生殖をおこなっています。
無性生殖とは、一部の生物で行われている、遺伝子のやり取りなしの生殖(多くは分裂)です。

サンゴは、普段は骨格の成長に伴い増加する表面を覆うように分裂を繰り返しています。つまり、サンゴの表面は一個体のクローンで埋め尽くされていることになります。(自分の分身で周りを埋め尽くすなんてあまり真似したくありませんが。。。)

 しかし、多くの種では年に一回(または数回)、精子と卵子が入ったバンドルと呼ばれるカプセルを一斉に放出します(後述)。水面に上がっていったカプセルは波の力ではじけ、近くのカプセルの精子や卵子と受精します(カプセル内で受精が起こることはありません)。
 こうしてできた受精卵は、成長してプラヌラ幼生という状態になります。また、体内で受精させた卵を幼生の状態で放出するサンゴもいます。いづれも、その後数日から長いもので数カ月ほど、プランクトンとして海中をさまよった後着底し、海水中のカルシウムから骨格を作り始めます。

 サンゴたちはこのようにして次の世代に子孫を残していくのです(無性生殖による分裂を繰り返すサンゴたちには寿命というものが存在しないのですが)。



サンゴの産卵

サンゴの産卵は、多くは満月の前後(大潮)の夜に一斉に行われます。
 より多様な遺伝子を求めた結果として、満ち引きによって遠くまで流される大潮の日が選ばれるのは納得できますが、サンゴたちがどうやってそのタイミングを知っているのか、どうやって個体間で産卵を同期しているのかはまだはっきり分かっていません。
 沖縄では、一般に海水温の高い南側から順にサンゴの産卵が起こりますが、オーストラリアのグレートバリアリーフでは満月の2,3日後に数百種類のサンゴが一斉に産卵するという現象が観察されます。これらについても、引き起こされる要因や同期の機構などは明らかになっていません。




月は27日の周期で地球を公転し、29.5日の周期で満ち欠けを繰り返しています。これによって海上では大潮、中潮、小潮、長潮、若潮、中潮、大潮という潮汐周期を繰り返します。月によって生み出される、この周期を利用している生き物はたくさんいます。


 多くのウミガメは、満月の夜、砂浜に上がり穴を掘って産卵します。
ハッチアウト(孵化)は卵が産み落とされてから約60日後の深夜に起こり、卵の殻を破った子ガメたちは満月のあかりに向かって進んでいきます。満月がちょうど海のほうにある深夜に、そのタイミングを知っているかのようにハッチアウトは始まります。

 しかし、明るいほうに進んでいく子ガメたちは、砂浜の近くに満月より明るいもの(街灯など)があると、そちらに進んでしまいます。間違った満月を目指してしまった子ガメたちは、海にたどり着くことなく、やがて力尽きてしまいます。

 私は実際に(観察されている方の指導のもと)ハッチアウトに立ち会ったことがあります。深夜3時ごろから孵化が始まり、1時間ほどかけて子ガメたちは海へと旅立っていきました。



明るい方に向かっていく子ガメたち
(撮影の後子ガメたちは海へとたどり着きました。)



 この他にも、アイゴ科やハタ科の魚の多くは種によって一定の月齢付近で産卵をし、スズメダイ科やテンジクダイ科の魚の中には大潮に孵化のタイミングをあわせて産卵をするものもいます。

 月の満ち欠けとそれに伴う潮汐の変化は、海の生き物たちにとっては大事な暦となっているのかもしれません。



 今回はサンゴの産卵と、月の満ち欠けをうまく利用している生物を少し紹介しました。

 次回は、実際に海に触れているもぐんちゅ(ダイビングサービススタッフさん)に聞いた話を、私なりにまとめて書きたいと思います。

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